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物語を紡ぐ空間として…


CAFÉ Tarot(カフェタロー)は、「東京タロット美術館」のミュージアムカフェとして誕生しました。美術館が「自己との対話」をテーマとしているのに対し、カフェタローは「他者との対話」をテーマとしています。

対話とは、価値観の異なる人と向き合い、思考の流れを大切にしながら、共に新たなものを創造していくプロセスです。どちらかの価値観を押し付けることなく、お互いの価値観を尊重することが大切です。このような対話を通してこそ、平和な社会がもたらされるのではないでしょうか。

人生の幸せや答えは、自分の外でなく、内にあります。
自然(宇宙)は、完璧な調和のもとで成り立っており、時に不条理と思えることも、実は気づきを得るために起こっているひとつの恵みなのかも知れません。
自然(宇宙の真理)に抗うことなく、静かに自己と対話(内観)し、自ら目の前に起きている出来事の意味を読み解いていくことこそ、本質的な答えに辿り着く道ではないでしょうか。
そして、時には他者(違う価値観の人)と交わることで、自分の中に眠っている感情や思考のパターンに気づかされ、自己との対話が深まることもあるのだと思います。

我々の中には、生命が誕生してからの時の記憶が刻まれています。
その記憶の物語に思いを馳せ、今を生きる私たちが、このバトンを未来に繋げていく必要があります。

時を超えて魂の物語を紡ぐこと、「いのちの循環」の象徴として、カフェ店内には、タロットカードの「運命の輪」の大理石モザイク画を展示しています。

この空間で時間を共にする人々が語らい、それぞれの魂の物語を紡いでくことのきっかけとなり、平和な世界を築けることを心より願っております。

店主
佐藤元泰





artist profile

大理石とタロットのマリアージュ


中世に描かれたという
マルセイユ版のタロットカードを初めて拝見したとき、
色合いとデザインの可愛らしさに魅力を感じました。
制作する中ではできるだけ、
描かれたモチーフの色やデザインを一つづつ忠実に再現していきました。その作業は、私自身が普段古代ローマモザイクを忠実に再現する作業で行っている、図柄の背後にある歴史や文化的メッセージを読み取るアプローチに似ていました。

大理石を一つひとつハンマーでカットしながら、時間をかけて制作する大理石モザイクの魅力は何よりその素材にあると思っています。
数億年という年月をかけ、地球が生成した変成岩、大理石という素材の持つエネルギーと、タロットカードの図柄に秘められたメッセージやパワーがあわさった時、お互いに響き合い、その良さを引き出しながら新たな世界が生まれてきたように思いました。

大理石とタロットのマリアージュの不思議は、最後の石のピースを置き作品が出来上がったと同時に、デザインの可愛らしさだけでなく、独特の世界観とエネルギーを放ち、奏ではじめたことでした。
それは他のモザイクの作品にはない、制作者の私自身にとっても初めての体験となりました。

タロットモザイクが奏でる何かをカフェで寛がれる方々それぞれが感じていただければ嬉しいです。

大理石モザイク
制作 楢崎美保子
Studio Mosaico


楢崎 美保子
Narasaki Mihoko

1994年「フランス留学中 」に大理石モザイクと出会う。パリ市内のモザイクアトリエでその技術とセンスを学ぶ。
1996年より本格的な技術を習得するためにモザイクの伝統を今も受け継ぐイタリア、ラヴェンナへ。
同地にてヨーロッパ認定のモザイク技術資格取得後98 ′年帰国、東京にてスタジオモザイコ設立。
イタリアから数多くの種類・色の大理石を自ら輸入し、日本ではあまり知られていなかった大理石モザイク、古代ローマモザイクの普及と作品制作を行う。